静岡市は長野市の2.4倍の雨。でも、雨の日の数はほぼ同じ
静岡市と長野市は、隣り合う県の県庁所在地です。それなのに、年間に降る雨の量は大きく違います。気象庁が観測から作った平年値(1991〜2020年の平均)で、どこが、いつ違うのかを見ていきます。
雨の量は2.4倍
1991〜2020年の年間降水量の平年値を、雨量計の形で比べた図。静岡市は2,327.3mm、長野市は965.1mm。観測点1か所の値。
静岡市の年間降水量は2,327.3mm、長野市は965.1mm。差は1,362.2mmあります。
雨の日の数は、ほぼ同じ
年間の降水日数の平年値を比べた横棒の図。長野市は109.6日、静岡市は106.1日。観測点1か所の値。
ところが、雨や雪の降った日の数は、静岡市が106.1日、長野市が109.6日。ほとんど変わらず、むしろ長野市のほうが3.5日多いくらいです。降る日の数は同じなのに量が違うのは、静岡市では、降る日に一度にたくさん降るからです。
なぜ静岡は雨が多いのか
静岡地方気象台によると、静岡県では南から暖かく湿った空気が入り込み、山地を中心に雨が降り始めます。海から来た湿った空気が山にぶつかって持ち上げられ、雨になるのです。
一方の長野県は、海から遠く、周りを山脈に囲まれています。長野地方気象台は、台風・低気圧・前線の影響を比較的受けにくい内陸の気候で、長野盆地から上田・佐久盆地にかけては、北海道東部についで雨の少ない地域だとしています。
山の上は、もっと多い
年間降水量の平年値を、観測点ごとに雨量計の形で比べた図。静岡市は2,327.3mm、井川は3,258.6mm、御嶽山は3,717.1mm、長野市は965.1mm。観測点1か所の値。
同じ静岡市でも、北の山あいにある井川は3,258.6mm。長野県でも、南西部の山の上にある御嶽山は3,717.1mmで、静岡市の1.6倍です。「静岡は多い、長野は少ない」は県のことではなく、観測点のある場所のことです。
長野県と静岡県の山の上と、長野県の盆地の観測点の年間降水量の平年値を比べた横棒の図。御嶽山は3,717.1mm、上田は906.2mm、佐久は964.0mm。観測点1か所の値。
長野県の盆地にある観測点は、松本が1,045.1mm、佐久が964.0mm、上田が906.2mmと、どこも少なめです。
冬は、雨や雪の日の数が逆になる
冬の降水日数の平年値を比べた横棒の図。長野市は27.6日、静岡市は16.5日。観測点1か所の値。
冬(1991〜2020年の12〜2月)の降水日数は、長野市が27.6日、静岡市が16.5日。冬だけは、長野市のほうが1.7倍多く降ります。
冬の降水量の平年値を比べた横棒の図。静岡市は265.6mm、長野市は153.1mm。観測点1か所の値。
ただし量は、冬でも静岡市が265.6mm、長野市が153.1mmで、静岡市のほうが多いままです。長野市の冬は、少しずつ降る日が多いということです。
冬は、北西の季節風が日本海を渡るうちに雪雲ができ、山にぶつかって日本海側に雪を降らせます。雪を降らせた後の空気は山を越えて吹き下りるので、太平洋側は晴れて乾燥します。長野県でも、北部は季節風の影響で雪の日が多く、中部や南部の平地は晴れの日が続きます。
寒候期の降水日数の平年値を比べた横棒の図。高田は106.0日、野沢温泉は89.8日、長野市は43.9日。観測点1か所の値。
日本海に近い新潟県上越市の高田は、年間降水量が2,837.1mmで、1991〜2020年の12月だけで475.5mm降ります。長野県北部の野沢温泉は、寒候期(1991〜2020年の11〜3月)の降水日数が89.8日です。
ほかの場所でも、山をはさむと差が出る
年間降水量の平年値を、雨量計の形で比べた図。高知は2,666.4mm、岡山は1,143.1mm。観測点1か所の値。
四国山地の南の高知(2,666.4mm)と、北の瀬戸内側にある岡山(1,143.1mm)にも、2.3倍の差があります。気象庁の「四国の天候」は、南からの暖かく湿った空気が四国山地で持ち上げられて太平洋側で降水量が多くなり、瀬戸内側では四国山地に阻まれて少なくなる、としています。
- 指標
- 年間降水量の平年値(mm)
- 期間
- 1991〜2020年
- 何の値か
- 観測点1か所の値
- 計算
- 元の表の値そのもの
- データの取得日
- 2026年9月29日
- 出典
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成
- 指標
- 冬の降水日数の平年値(日)
- 期間
- 1991〜2020年の12〜2月
- 何の値か
- 観測点1か所の値
- 計算
- 月の平年値の和
- データの取得日
- 2026年9月29日
- 出典
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成
出典とライセンス
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成(公共データ利用規約(第1.0版))
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成(公共データ利用規約(第1.0版))
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成(公共データ利用規約(第1.0版))
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成(公共データ利用規約(第1.0版))
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成(公共データ利用規約(第1.0版))
- 気象庁「平年値ダウンロード」「地点情報履歴」「過去の気象データ検索」を加工して作成(公共データ利用規約(第1.0版))
- 静岡地方気象台「静岡県の気象特性」
- 長野地方気象台「長野県の気候」
- 気象庁「冬にはなぜ日本海側の地方で雪がたくさん降るのですか?」
- 気象庁「四国の天候」
この図は データピクト が作成し、CC BY 4.0 で公開しています(出典と データピクト の名前を書けば自由に使えます)。